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ナンバー938の呟き

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身の程知らずにもわずかばかりの知性をふりかざしてみたくて呟くのである

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「虎よ、虎よ!」アルフレッド・ベスター著 358p
(2007.6.30~7.15)

 このドライブ感はなんだろう。まるで最近の尾田栄一郎が描く「ワンピース」という漫画のような、とっぴょうしもない展開。文体も凝っていて大げさである。読み始めはとまどうか、少し読み出すと止められない魅力に溢れている。
 本歌はデュマの復讐譚「モンテ・クリスト伯」。話の大筋は宇宙空間で難破した主人公ガリヴァーが、近くを通ったヴォーガという宇宙船に置き去りにされたことを逆恨みして復讐に燃える話である。ただそれだけの話であるにもかかわらず、展開はめまぐるしくしかも猥雑でぐいぐいと惹きつける。色々な読み方ができるだろう。人類救済の物語でもあるし、1950年代という書かれた時代背景から女性蔑視や差別的な見方が表面上は読み取れる。しかし、果たして女性蔑視という視点でベスターは書いたのだろうか。出てくる主な登場人物は、ほとんどが何らかの奇形である。表現上とは裏腹に、ベスターが書こうとしたのは、弱いものの強さとか正しさといったものではないだろうか。虐げられたものや差別される側の立場にベスターが立っていたからこそ、後にゲイで黒人のディレーニが絶賛したのではないだろうか。
 1978年に文庫になったのを買ったまま、読み始めのとまどいで止まっていたのを振り切ってようやく読了した。中田耕治の訳文は少し古くて、読めない漢字も多々あった。

 まさしく、本当に面白い一冊。ジャンル小説としても優れているにもかかわらず、現時点では絶版となっていて入手できない。生頼範義のカバー絵がすばらしいハヤカワ文庫の復刊を期待したい。
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by kkusube | 2007-07-15 09:17 |
 めでたく「ゴーレム100」が出たということで、山形浩生の解説にのせられていまごろベスターの「虎よ!虎よ!」を読んでいる。暗記するぐらいどころか、読み始めのとっつきの悪さで敬遠していたのだ。プリーストの「逆転世界」を読んだあとは、ディレーニィの「エンパイア・スター」でもと思って読み出したら、就眠儀式で読んでも何のことやらさっぱり頭に入らない。思いっきり頭悪ぅ!と自分自身を卑下したところで、長編とはいえない長さの一冊がいっこうに進まないので、気分を切り替えてシルヴァーバーグの「ガラスの塔」を読み出したら、こちらはすらすらと頭に入ってくる。一種の宗教小説かと思わせる内容だが、シルヴァーバーグはネタを転がすのがとてもうまい作家だと感心してしまった。そんなこんなで中盤まで読んで、やっぱりベスターかなと思い直して読んでいるところである。いやぁ、かなり無茶苦茶な話です。でも、最近流行のケータイ小説よりはマシで、慣れてくると読める。あらすじを読んだだけでも生きるのにどーでもいい世界の話を書きながら、そのテーマが生きるってなになんだから笑わせてしまうよねというケータイ小説とは、内容を比較するべくもないが、やっぱり何度もかじってみたないと分からない話みたいだ。
 国書刊行会もベスターの「ゴーレム100」のあとはプリーストの短編集とディレーニィの「ダールグレン」だそうだから、いつ出版されるのか不明というより出ても読みきれるものなのだろうかと不明な作品が続くことで、楽しみはさらに続くようである。
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by kkusube | 2007-07-07 11:23
 明日は七夕である。
 昨年まで住んでいた関西地方は、この時期は梅雨がまだ明けず、たまにしか星空を仰ぐことができない年がほとんど。せいぜいが短冊に願いをかけるぐらいだったけれど、北海道にやってきて七夕祭りの歩行者天国やら子供達のお祭り行事があるということに驚いた。

 子供達がハロウィンよろしく浴衣着て提灯下げてご近所を回り、お歌を歌って、お菓子を貰うのだとか。函館では、
 『たけーにたんざく、たなばたまつりっ、
 おおいーにいわお~、ローソク一本ちょうだいな~♪』
 と歌うらしい。
 室蘭や函館は7月7日。札幌は旧暦の7月7日だそうだ。
 北海道オリジナルのお祭りだろうけれど、こういう経験も子供達には楽しいことだろう。
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by kkusube | 2007-07-06 20:27