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ナンバー938の呟き

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まったくのアホながら わずかばかりの知性をふりかざしてみんとて 呟くのである

あれもこれも途中まで

 今年はディックでも毎月一冊は読もうなどとトボけた考えをしていたのだけど、3冊目の「高い城の男」で中座。その後「エデンの黒い牙」というジャック・ウィリアムスンの人狼小説を読み出して、翻訳の文体の微妙なズレを感じつつ、作品自体がいまひとつのようで、途中でネタばれというかつまんなくなり放棄。
 正月明けより読んでいた「百年の孤独」はとても面白いのだけど、あと1/3程度残ったまま本棚にへこ戻り。結局は「モレルの発明」と「木曜の男」は読了したのだけど、これが両方共に書き手が嘘を付いている可能性のある幻想怪奇小説とあって、読後感がシャキッとしない。面白くないとは言わないまでも、何を作者がいいたかったのか共感できないままに終わった。気分直しにと、マイケル・ムアコックの「グローリアナ」を読み出すとスチームパンクの改変歴史物でそれなりに面白いのだけど、まだ読了までは遠い感じ。なんともはやあれもこれも途中までの日々が続いている。
 表面だけの面白さをしっかりと受け止めればよい小説ばかりを読んでいればよいものを、作者の仕掛けまで読み込まないと分からないような手合いの小説まで手を伸ばしたのが運のつきだろうか。
 限られた時間とはいえ、速読することだけが読書の楽しみでもないだろうし、遅読でぼんやりと格闘するのも悪くないことなのかもしれない。
by kkusube | 2010-06-13 16:39 |

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