人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ナンバー938の呟き

kkusube.exblog.jp

まったくのアホながら わずかばかりの知性をふりかざしてみんとて 呟くのである

たぶんこんな話を書きたかったのだろう

 つい最近マルセル・エイメの「壁抜け男」を読んで、なんだかぼんやりとこんなような話を私は書きたかったのではないかと思った。もちろんエイメのような作品というわけではない。現実と幻想の境目のないような世界を日常的に描く、そんな世界を描きたかったのだろうと。もちろん私にそんな世界をきちんと描く技術も才能もない。これから精進して世の中に作品を問いたいというわけでもない。いくつかの文章を書いたのは20代前半までで、庄司薫や植草甚一などの影響を中途半端に受けているだけといった文章とあまりにも幼稚な文章力では何かを創り上げることすらできなかった。
 たとえば山尾悠子の「月蝕」。彼女にとっては若気のなんとかで恥ずかしい駄作でしかないのかもしれないけれど、私は大好きだ。
 たとえば村上春樹の「窓」。その空気になんだか自分自身を感じてしまう。
 そんな話を書けたらいいのになとふと思った。書けるかどうかは分からないし、納得できる素材を集めることができるのかも分からない。
 まだまだやり終えていないことがあるということだけは確かである。
by kkusube | 2012-02-12 23:45 |

by kkusube